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「スピン半導体」の動作速度の限界を超える新発見 ~反強磁性体の従来磁石材料に対する工学的優位性を世界で初めて実証~

【本学研究者情报】

〇电気通信研究所 教授 深见俊辅

【発表のポイント】

  • マクロには磁力を示さない反强磁性体(1)を用いて、従来の磁石材料(强磁性体(1))で构成するスピン半导体の限界を超える1ナノ秒(100亿分の1秒)の极めて短时间で1,000回中1,000回の记忆动作を実现しました。
  • この强磁性体に対する"反强磁性优位性"が、反强磁性体のスピンが従う运动方程式の根本的性质に由来した普遍的なものであることを解明しました。
  • 今回の発见と実証结果で、スピンで情报を记忆する省エネ半导体「スピン半导体」に新进展がもたらさせることが期待されます。

【概要】

スピントロニクス(2)の発展により、强磁性体を用いた不挥発性メモリー(磁気抵抗メモリー:惭搁础惭(3))の社会実装が进展し、半导体集积回路の高机能化?省エネ化に贡献しています。一方で近年、基础研究の领域では、全体としては磁力を持たない磁性材料である反强磁性体が注目されています。これまでこの反强磁性体の强磁性体との类似点や相违点が様々な角度から调べられてきましたが、强磁性体に対する工学的な优位性は明らかではありませんでした。

このたび东北大学、物质?材料研究机构及び日本原子力研究开発机构からなる研究チームは、スピンが涡巻状に并んだカイラル反强磁性体惭苍3Sn(4)を用いて、半导体応用で重视される动作速度に関して、反强磁性体の强磁性体に対する优位性を実証しました。具体的には、惭苍3厂苍をナノメートルサイズに微细化することで、反强磁性体特有の现象である「电流印加によるスピン构造のコヒーレント回転(5)」を超高速で自在に制御できることを明らかにし、その上で高効率な书き込み动作を0.1ナノ秒という强磁性体を凌驾する时间スケールで実现しました。

この制御方式は外部からの磁场を必要とせず、再现性にも优れることから、「スピン半导体」の大幅な机能向上に繋がるものと期待されます。

今回の研究成果は、2025年8月21日(米国时间)付で科学誌厂肠颈别苍肠别に掲载されました。

図1. (a) カイラル反強磁性体ナノドット素子の高速制御実験の模式図。(b) 今回作製したナノドット素子の観察画像。

【用语解説】

注1. 強磁性体と反強磁性体:
电子には「电荷」という物质の电気的性质を决める物理量に加えて、「スピン」と呼ばれる磁気的性质を决める物理量がある。磁性体は内部のスピンが空间的に秩序化した材料であり、スピンが一様な方向に揃った强磁性体(いわゆる磁石)や原子スケールの周期で打ち消し合うことによりマクロな磁力を持たない反强磁性体がある。従来、反强磁性体は実用性が低いとされてきたが、本研究は强磁性体に対する工学的な优位性を初めて明らかにしたものと位置付けることができる。

注2. スピントロニクス:
电子の电荷(电気的性质)とスピン(磁気的性质)を同时に利用することで発现する物理现象を明らかにし、工学的に利用することを目指す学术分野。代表的な応用技术として磁性体のスピンの向きで情报を検出あるいは记録する、磁気センサーや磁気抵抗メモリー(惭搁础惭)などがある。

注3. 磁気抵抗メモリー(MRAM):
电源をオフにすると记録された情报を失う既存の半导体メモリー(挥発性メモリー)に対し、オフにしても情报を失わないメモリーを不挥発性メモリーと呼ぶ。磁性体の磁気状态の変化に伴う电気抵抗値の変化を利用したメモリーは磁気抵抗メモリー(惭搁础惭)と呼ばれ、高速?低消费电力な不挥発性メモリーとして社会実装が进展している。

注4. カイラル反強磁性体、マンガン?スズ合金(Mn3Sn): 一般的な反強磁性体は隣り合うスピンが正反対の向きに共線的(一直線状)に並ぶ性質を持ち、共線反強磁性体と呼ばれる。これに対して非共線的(渦巻状)に並んで全体の磁力を打ち消しあっている磁性体が存在し、その中でも特に渦巻の向きが揃ったものをカイラル反強磁性体と呼ぶ 。Mn3Snはカイラル反強磁性体の代表例。その特異な電子状態により、通常の反強磁性体とは異なり、スピンの反転に伴って大きく抵抗が変化するという強磁性体と類似した性質を示し、電気的な状態の読み取りが容易という特長を持つ。

【论文情报】

タイトル:"Electrical coherent driving of chiral antiferromagnet" (カイラル反強磁性体の電気的コヒーレント駆動)
著者: Yutaro Takeuchi*, Yuma Sato, Yuta Yamane*, Ju-Young Yoon, Yukinori Kanno, Tomohiro Uchimura, K. Vihanga De Zoysa, Jiahao Han, Shun Kanai, Jun'ichi Ieda, Hideo Ohno, and Shunsuke Fukami*
*责任着者:物质?材料研究机构磁性?スピントロニクス材料研究センター 研究员 竹内祐太朗、东北大学学际科学フロンティア研究所 准教授 山根结太、同学电気通信研究所 教授 深见俊辅
掲载誌:厂肠颈别苍肠别
顿翱滨:

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问い合わせ先

(研究に関すること)
东北大学电気通信研究所
教授 深見 俊輔
TEL: 022-217-5555
Email: s-fukami*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(兼)东北大学大学院工学研究科电子工学専攻
(兼)东北大学先端スピントロニクス研究開発センター (CSIS)
(兼)东北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター (CIES)
(兼)东北大学材料科学高等研究所 (WPI-AIMR)
(兼)公益財団法人稲盛科学研究機構 (InaRIS)

(报道に関すること)
东北大学电気通信研究所 総務係
TEL: 022-217-5420
Email: riec-somu*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)

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