2024年 | プレスリリース?研究成果
海の表層へ栄養塩をもたらす「トワイライトゾーン」 ?海洋生態系の予測精度を向上しうる新知見~
【本学研究者情报】
〇东北大学?海洋研究开発机构
変动海洋エコシステム高等研究所(奥笔滨-础滨惭贰颁)
教授 Keith Rodgers
【発表のポイント】
- 海洋の表层にもたらされる栄养塩の量は、植物プランクトンの増殖や食物网を通じて、鱼类の生息域などにも影响することが知られています。
- 広大な低纬度海域(赤道をはさむ南纬30度から北纬30度までの海域)において、光がほとんど届かない海洋下层での栄养塩の再生と、再生された栄养塩の表层への供给が海洋生态系にとって重要なことを、海洋観测データと数値シミュレーションによって初めて示しました。
- 本研究成果を気候の将来予测モデルに适切に反映させることで、気候変动が海洋生态系に及ぼす影响の予测精度を向上させ、海洋生态系サービスの持続可能な利用に贡献することが期待されます。
【概要】
海の生态系は、植物プランクトンによる光合成を主とした有机物の生产(一次生产)に支えられています。海の一次生产の全体のおよそ半分を担う広大な低纬度海域では、一次生产に必要な栄养塩の多くは、南大洋(南极大陆周辺の海)の表层付近から流れ込んできている、と长らく考えられてきました。
东北大学?海洋研究开発机构 変动海洋エコシステム高等研究所(奥笔滨-础滨惭贰颁)のKeith B. Rodgers教授と、海洋研究開発機構(JAMSTEC)、ソルボンヌ大学などの研究者からなる国際共同研究チームは、海洋観測データと海洋生態系モデルによる数値シミュレーション実験により、低緯度海域の一次生産を支える栄養塩の半分以上は、実は同海域の「トワイライトゾーン」(光がほとんど届かない中深層)でバクテリアによる有機物の分解によって再生され表層に運ばれてきたものであるという、従来の定説を覆す知見を得ました。
気候変动の现在の主要な影响予测においては、海洋の一次生产の将来予测の结果が、使用する海洋生态系モデルごとに大きく异なっています。本研究の成果は、海洋生态系の将来予测の不确実性を低减させ、渔业など海洋の生态系サービスの持続可能な利用に有益な知见を提供することが期待されます。
本成果は8月22日(日本时间)、科学誌狈补迟耻谤别に掲载されました。

図1. 地球システムモデルによる、(a)全海洋規模、(b)低緯度海域の一次生産量の将来予測。将来の増減だけでなく、振れ幅もモデルによって大きく異なっている。一次生産が増加すると予測しているモデルは、本研究の着目するトワイライトゾーンでの栄養塩の再生過程が、モデル内で水温の上昇に影響を受ける形で表現されている。
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学?海洋研究开発机构
変动海洋エコシステム高等研究所(奥笔滨-础滨惭贰颁)
教授 Keith B. Rodgers
TEL: 022-795-6744
Email: keith.rodgers.b2*tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)※英语でのご対応となります
(报道に関すること)
东北大学?海洋研究开発机构
変动海洋エコシステム高等研究所(奥笔滨-础滨惭贰颁)アウトリーチ担当
TEL: 022-795-5620
Email: aimec-contact*grp.tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えてください)
东北大学は持続可能な开発目标(厂顿骋蝉)を支援しています