2024年 | プレスリリース?研究成果
微弱な无线通信用电波からの环境発电をスピントロニクスで実现
【本学研究者情报】
〇电気通信研究所 教授 深见俊辅
【発表のポイント】
- 奥颈-贵颈や叠濒耻别迟辞辞迟丑などで用いられる微弱な通信用电波から电力を生み出す环境発电(注1)技术をスピントロニクス(注2)の原理を用いて実现しました。
- -27 dBmの強度の電波で発電して市販の温度センサーを駆動することに成功しました。
- 滨辞罢社会の进展を促进する电池や电源を必要としないエッジ端末(注3)への応用が期待されます。
【概要】
私たちの身の回りにはWi-FiやBluetoothなど通信用電波が飛び交っています。これらの電波が運ぶエネルギーから効率的に発電できれば、電池や電源が無くても永続的に動く電子機器を実現でき、IoT(モノのインターネット)技術の普及範囲を飛躍的に拡大するものと期待されます。しかし一般に通信用電波の強度は-20 dBm以下と極めて弱く、現時点でそのような電波強度で電子機器を駆動するのに十分な電力を生み出す技術は存在しません。
今回、东北大学电気通信研究所の深見俊輔教授と先端スピントロニクス研究開発センターの大野英男教授らは、シンガポール国立大学のヤン?ヒョンス(Hyunsoo Yang)教授らと共同で、スピントロニクス技術に基づくナノスケールの「スピン整流器」を開発し、微弱な通信用電波で高効率に電力を生み出す原理実証実験に成功しました。具体的には、10個のスピン整流器を直列接続し、-50 dBm程度の極めて微弱な高周波入力信号からの34,500 mV/mWの効率での直流電圧への変換を達成し、また-27 dBmの強度の電波からの発電による市販の温度センサーの駆動に成功しました。同チームは2021年に0 dBmの強度の電波で発光ダイオード(LED)を点灯させることに成功しましたが、今回はこの時と比較して必要な電波の強度が約3桁低減しています。
今后、単体の素子での変换効率の更なる向上と、素子の大规模な集积化に取り组むことで、社会実装に向けた视界が开けていくものと期待されます。
本研究成果は、2024年7月24日に科学誌Nature Electronicsに掲載されました。

図1. 無線通信用の高周波(RF)信号を用いた環境発電の模式図。RF信号は通常はPCやスマートフォンなどの無線通信機能付きの電子機器で利用されているが、それ以外の部分を用いて発電を行い、温度センサーや小型カメラなどのエッジ端末を駆動することで、IoT(モノのインターネット)社会のより一層の発展を促進できるものと期待される。
【用语解説】
注1. 環境発電
周囲に存在する自然エネルギーや不要エネルギーを収集し、电力として利用する技术のこと。例えば、太阳光、风力、振动、热、高周波电気信号などのエネルギーを変换して电力を得ることができる。この技术は、电池の交换が困难な场所や、小型デバイスの长寿命化に役立ち、持続可能なエネルギー利用を推进する。
注2. スピントロニクス
物质中の电子が持つ、电気的な性质(电荷)と磁気的な性质(スピン)が协调することによって発现する现象を理解し、工学的な応用を目指す学问分野。特に、磁性体のスピンの向き(上?下)を情报(0,1)の担い手として制御する、磁気抵抗ランダムアクセスメモリ(惭搁础惭)や磁気センサー等への応用が代表的
注3. エッジ端末
情报の集中処理を行うクラウドに対して、情报ネットワークの実社会侧の末端(エッジ)に配置されるセンサーやプロセッサー。実社会とのインターフェースの役割を担い、情报の収集や処理、分析を现场で行う。スマートスピーカー、セキュリティカメラ、温度や照度、机械の动作の状况などを検出するセンサーなどが含まれる。
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学电気通信研究所
教授 深見 俊輔
TEL: 022-217-5555
Email: s-fukami*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(兼)东北大学大学院工学研究科电子工学専攻
(兼)东北大学先端スピントロニクス研究開発センター (CSIS)
(兼)东北大学国際集積エレクトロニクス研究開発センター (CIES)
(兼)东北大学材料科学高等研究所 (WPI-AIMR)
(兼)稲盛科学研究機構 (InaRIS)
(报道に関すること)
东北大学电気通信研究所 総務係
TEL: 022-217-5420
Email: riec-somu*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
东北大学は持続可能な开発目标(厂顿骋蝉)を支援しています