2023年 | プレスリリース?研究成果
宮古島の固有種の故郷は消えた島だった? 地質学と生物学の融合研究が描き出した新たな琉球列島の形成史と生物進化
【本学研究者情报】
〇大学院理学研究科地学専攻
教授 井龙康文(いりゅうやすふみ)
【発表のポイント】
- 125万年?40万年前の宫古诸岛は全域が水没していました。したがって现在宫古诸岛に生息する生物や洞窟堆积物に含まれる化石は、40万年前以降に岛外から移住してきた生物の子孙です。
- しかし宮古島の固有種のなかには、宮古島が水没中に他種から分岐したものがいます(ミヤコヒバァなど、図1)。宮古島は沖縄本島から約360 kmも海で隔たっており、それら陸生種の起源は大きな謎でした。
- 沖縄本島と宮古島の間に位置する沖縄-宮古海台(Okinawa-Miyako Submarine Plateau. 以下、OMSP、図2)が550万年~27万年前頃に陸域であり、沖縄本島から宮古諸島への生物移住の経由地となったとする仮説(OMSP仮説)を提唱しました。宮古諸島の固有種の中には、OMSPで新たに独立種へと進化していったものもあると考えられます。
【概要】
琉球列岛の生物相は多様で独特なことで知られますが、その成立过程には多くの谜が残されています。プレート境界上に位置する岛々そのものの形成过程が复雑なのが、その大きな理由です。
东北大学大学院理学研究科の井龙康文教授らは、世界自然遗产の冲縄本岛や西表岛のものに比しても特异な宫古岛の生物相について、その成立过程を明らかにしました。地形や地质から宫古岛が何度も海に沉んだのは明らかですが、にもかかわらず、そこには固有の陆生生物が多く见られます。この谜を解く键は、かつて冲縄本岛と宫古岛の间に巨大な岛として存在し、今は海中に台地状の地形となって残る陆块の存在でした。研究グループはこれを冲縄-宫古海台(翱惭厂笔)と名付け、宫古岛の生物相の成立过程を説明する翱惭厂笔仮説を提唱しました。
本研究成果は、7月20日付でProgress in Earth and Planetary Science誌にてオンライン公开されました。

図1. 宮古島固有種のミヤコヒバァ(上)およびミヤコカナヘビ(下)。両種に最も近縁な種はそれぞれ沖縄本島や北方の陸域(大陸東岸)に生息していますが、渡海能力はほとんどありません。このような種が、どのようにして宮古島に渡来したのかに関しては、長年議論されてきました。本研究では、最新の地質学および生物学(生物系統地理学)データを統合してOMSP仮説を提唱しました。(写真: 関 慎太郎)
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学大学院理学研究科地学専攻
教授 井龍 康文(いりゅう やすふみ)
TEL: 022-795-6622
E-mail: yasufumi.iryu.d8*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(报道に関すること)
东北大学大学院理学研究科
広报?アウトリーチ支援室
TEL: 022-795-6708
E-mail: sci-pr*mail.sci.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
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