2022年 | プレスリリース?研究成果
プラズマ技術を利用した植物免疫の活性化 ~環境負荷の少ない植物病害防除技術の開発に期待~
【本学研究者情报】
〇大学院农学研究科 准教授 安藤杉寻
【発表のポイント】
- プラズマ技术を用いて空気を材料として生成した狈2O5(五酸化二窒素)ガスを植物(シロイヌナズナ)に処理することで、植物免疫のうちジャスモン酸とエチレンを介したシグナル伝达経路が活性化されることを明らかにしました。
- N2O5ガスを処理した植物では、灰色かび病菌やキュウリモザイクウイルスの感染が抑制されることを示しました。
- N2O5は水に溶解すると硝酸肥料にもなり、环境负荷の小さい持続可能な农业生产へ展开されることが期待されます。
【概要】
活性窒素种は植物免疫をはじめ、様々な生理现象に重要な机能をもつ反応性の高い物质です。狈2O5は活性窒素种の一つですが、従来は合成およびその保管に技术的课题があり、生物に対する生理作用がほとんど知られていませんでした。
东北大学大学院农学研究科?食と农免疫国际教育研究センターの安藤杉尋准教授、高橋英樹教授、宮下脩平助教および、同大学院工学研究科?非平衡プラズマ学際研究センターの金子俊郎教授、髙島圭介助教、佐々木渉太助教らの研究グループは、プラズマ技術を用いた新たな植物病害抑制法を示しました。
金子教授らのグループはプラズマ技术を利用し、高浓度狈2O5ガスを生成できる装置の开発に成功しました。そこでこの装置を利用し、安藤准教授と高桥教授のグループが狈2O5ガスの植物免疫における机能を解析しました。その结果、狈2O5ガス処理によって植物免疫に重要な生理活性物质であるジャスモン酸とエチレンのシグナル伝达経路が活性化され、灰色かび病菌やキュウリモザイクウイルスの感染?増殖が抑制されることが明らかになりました。
N2O5はプラズマ技术を用いて空気のみから低电力で生成できます。また、生成された狈2O5は水に溶けると、植物に肥料成分として利用される硝酸(贬狈翱3)に速やかに変化します。本研究成果は、环境负荷の少ない次世代の植物病害技术として期待されます。
本研究成果は、2022年6月24日に米国Public Library of Science社が発行する科学誌PLoS ONEに掲載されました。

図.上段:プラズマを用いた狈2O5生成と植物への処理のイメージ。
下段:狈2O5ガスを処理した植物における病害抵抗性诱导のイメージ。写真は叶の组织に菌糸が感染している様子(右侧から)。狈2O5ガス処理によってこの菌糸の伸展が抑制されます。
问い合わせ先
东北大学大学院农学研究科
食と农免疫国际教育研究センター
准教授 安藤杉寻
TEL: 022-757-4297
E-mail: sugihiro.ando.a2*tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えて下さい。)
(报道に関すること)
东北大学大学院农学研究科 総務係
TEL: 022-757-4003
E-mail: agr-syom*grp.tohoku.ac.jp
(*を蔼に置き换えて下さい。)
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