2019年 | プレスリリース?研究成果
サンゴ共生藻と刺胞动物との共生崩壊に関わる遗伝子発现の変化を解明 共生が崩壊する「白化现象」を遗伝子レベルで解析
【発表のポイント】
- サンゴ礁生态系は、サンゴなどの刺胞动物と、褐虫藻(かっちゅうそう)と呼ばれる単细胞藻类の细胞内共生*1によって成り立っており、共生の崩壊によりサンゴ礁が死灭する「白化现象」が大きな问题になっている。
- 本研究では、実験室での饲育や人為的な共生状态?非共生状态の诱导が容易なモデル刺胞动物セイタカイソギンチャクを用いることで、白化の要因と考えられる高温ストレスに対して遗伝子発现量が変化する様子を、共生体がいる状态といない状态で比较解析することに成功した。
- この结果、共生体がいる状态の时に限り、刺胞动物细胞内の「リソソーム*2」と呼ばれる细胞小器官で働く遗伝子などが重要な役割を果たす可能性を示した。
- 本研究により、サンゴ白化现象の理解に重要な细胞生物学研究のためのゲノムレベルでの解析基盘を开発することができた。
【概要】
东北大学大学院生命科学研究科の丸山真一朗助教らのグループは、基礎生物学研究所の皆川純教授、上野直人教授、重信秀治教授らと共同で、共生崩壊の原因と考えられている高温ストレスに対して、共生藻がいる状態といない状態のイソギンチャクとの間で、遺伝子発現量の変動パターンが大きく異なることを発見しました。これは、宿主刺胞動物の環境応答の仕組みが藻類との共生状態の影響を強く受けることを示した重要な報告です。本研究結果は、5月16日付でG3: Genes, Genomes, Genetics誌のEarly onlineとして掲載されました。
【用语解説】
*1 細胞内共生
サンゴなど宿主刺胞动物の内胚叶と呼ばれる组织の细胞内には褐虫藻が共生している。褐虫藻は宿主から供给される二酸化炭素を利用して光合成し、その产物である有机物を宿主へ栄养源として供给すると考えられている。
*2 リソソーム
一重の膜につつまれた细胞内の构造体の一つ、内部に加水分解酵素を持ち、食作用などにより细胞内に取り込まれた生体分子などを加水分解した后、细胞内に吸収したり、不要なものは排出したりする作用を持つ。

図1. 褐虫藻を共生させたモデル刺胞動物のセイタカイソギンチャクと「白化関連遺伝子」の一つであるステロール輸送体遺伝子の塩基配列の一部。
问い合わせ先
(研究に関すること)
东北大学大学院生命科学研究科
担当 丸山 真一朗(まるやま しんいちろう)
電話番号: 022-795-6689
Eメール: maruyama*tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)
(报道に関すること)
东北大学大学院生命科学研究科広報室
担当 高桥 さやか(たかはし さやか)
電話番号: 022-217-6193
Eメール: lifsci-pr*grp.tohoku.ac.jp(*を@に置き換えてください)